高校の同級生に大金を貸した。
今迄に人にお金を貸したことは殆どない。
お金を貸すという状況になったことが無いからだ。
それがいきなり大金を貸すことになるなんて世の中は分からないものだ。
大金とは言っても1,000万円は超えないがそれなりの額。
人にお金を貸すときはあげるつもりで貸せという金言があるが、私はその心境で貸した。
返ってくることは当然期待しているが、それが例え返ってこなかったとしてもしょうがないという心持ちである。
その貸した友人は高校の同級生で、部活も同じということで仲は良かった。
毎日つるんで遊ぶというようなものではないが、独特の感性を持っており仲の良い友人の一人という感じだった。
高校を卒業して暫くは遊んでいたがいつからか疎遠になった。
そんなある日、就活のためにスーツを貸してくれないかとその友人から連絡があった。
背丈が同じくらいだったので、その時も返ってこなかったらしょうがない、という心境でスーツを送ると忘れたころに郵送で返ってきた。
ちゃんと返す律儀な性格なんだとその時思ったことは未だに覚えている。
風の噂ではその友人はギャンブル中毒になったと聞いたが、それを本人に聞こうとするほど興味はなかったので10年以上は音沙汰が無い状態が続いた。
そして2年前、メッセンジャーで突然友人から連絡があった。
メッセージのやり取りをしていると、友人は起業して事業が上手くいっていると話してくれた。
それ以降は時折思い出したように連絡をするだけの時期が続いたが、昨年、仕事の関係で東京に行くことになった。
友人は東京で事務所を構えてたのでその旨を伝えると、会おうという事になり、そして10数年ぶりに再会した。
事務所に行くとスタッフもそれなりにいて、事業についてもその業界では常識外れな手法で成長を続けていることが肌身で感じ、その時ぼんやりとこのような会社に投資出来ればと思った。
その後の食事で高校時代の懐かしい話やお互いの仕事の話、様々な話題を語り合った。
そして、先日地元に用があって戻ってきてるから会えないかと友人から突然の連絡があったので、一緒に食事をした。
その食事の中で友人は2,000万円が月末に必要になり、もう駄目だと思ったところある社長さんに話をしたら叱られながらも貸してくれて会社をなんとか存続させることができた、というエピソードを語ってくれた。
その話を聞いた時に、2,000万円は即金では難しいけど、現物と投信を捌けば用意できない額ではないなと思ったが本人には伝えなかった。
後日、メッセージで友人の会社は投資に資するからお金が必要だったら連絡をしてと伝えると、数日前にお金を貸してほしいと連絡があった。
偶々、4月に大規模なリバランスを行い現金に余裕があったので、思い切って貸すことにした。
欲を言えば友人の会社の株式の方が良かったが、個人的に貸す形になった。
友人は考えたことを言語化する能力が高く、社長には間違いなく向いている。
365日のうち95%を会社のことを考えていると豪語するほど打ち込む生き様は私には真似出来ないと思った。
そして、現に経営する会社は飛ぶ鳥を落とす勢いで伸びており、将来性も充分。
一点、ギャンブル依存症だという特大の爆弾を抱えているが、今は会社のことしか眼中にないので暫くは問題にはならないと思う。
一平氏の事件があったおかげでギャンブル依存症を甘く見てはならないことは充分に承知しているので、返ってこなくてもその友人をどうこうしようとは全く思っていない。
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